宇佐見会

同人サークル「宇佐見会」はカードゲームの製作を中心に、グッズ製作や各種イベントの企画を行っている団体です。
ご不明な点がございましたら、こちらまでお気軽にメールくださいませ。
製作/企画:対戦カードゲーム「幻想萃符伝」 | ゲーム交流会「上方東方祭」
;

六道語~地獄道~

幻想回向、No70、残酷な裁判官/Cruel Judge

残酷な裁判官

六道の話をしましょう。
六道はその名の通り六つに分けられていますが、その中でも最下層に位置するとされるのが地獄道です。いわゆる「地獄」と言えば通りがいいでしょう。
その地獄道を見守るのが彼女、黒の裁判官です。

残酷という、裁判官に有るまじき形容をされてしまっている彼女。しかし、彼女の立場はそんな一言で表されるような物ではありません。
そもそも地獄道というのは、閻魔による裁判でもっとも罪が重いとされた者が落とされてしまう道です。最近はスリム化が進んでいるそうですが、それでも人々にとって恐ろしい場所であることには変わりありません。人は(妖も)地獄に落ちる事を避けるために生きているといっても過言ではないでしょう。
それでも、人々は地獄道に落ちるに値する罪を犯します。耐え難い事の筈なのに、絶えることなく。それは、人を見守り裁くことが仕事の閻魔にとってはとても悲しい事です。地獄道そのものを見守る彼女にとってはなおの事。
彼女だって、彼らを地獄道に落としたくなんてありません。地獄道で苦しむ人々を見る事は、誰だって嫌なのです。
ですが、彼女が裁きの手を緩める事はありません。なぜなら、地獄に落ちなくなっては人は地獄を恐れなくなってしまうから。適度な恐怖こそが、人が上を目指すための唯一の術だから。
だからこそ、彼女は無慈悲な裁きを続けるのです。たとえ残酷と罵られようとも。